こんにちは、悠です。
今回は、我が永遠の王妃である花總まりさんのことを書きたいと思います。
『MA』のDVDを手に入れてから、隙あらば花マリーに会いに行く日々を過ごしていた、ある日。
唐突に、宝塚時代の花總さん(花總まりさん)が観たくなって、まず選んだのが、「仮面のロマネスク」でした。
仮面のロマネスク−ラクロ作「危険な関係」より−(97年雪組・宝塚)【動画配信】
「仮面のロマネスク」は、高嶺ふぶきさんの退団公演で、ヴァルモン子爵は彼女のハマり役です。
高嶺さんは、「エリザベート」で演じたフランツがあまりに素敵すぎて、その印象が強いですが、とても多才で器用な男役スターさんで、その格好良さは、今観ても惚れ惚れしてしまいます。
花總さんとのコンビは、まるで、兄妹のような雰囲気を漂わせていて、高嶺さんは、頼れる優しい綺麗なお兄さん(正確にはお姉さんですが。)のようでした。
ヴァルモン子爵の、出会う者を虜にする美しさと妖しさを、見事に表現されていて、思わず私もきゅんとしてしまいました。
それに対する花總さんのメルトゥイユ公爵夫人の気高さも素晴らしくて……。
当時の若さで、あの気品と色気を放つ花總さんは、本当に凄いなと改めて感じた作品でもあります。
簡単に感想を綴ってみたので、興味のある方はぜひどうぞ。
ドレスの着こなし
花總さんのお人形のような等身バランスを活かした、数々の衣装。その着こなしは圧巻である。
おそらくこの作品では、10着を超えるドレスを着ているが、どれも驚くほど似合ってしまう。
特に、ラストシーンの薄いピンク色のドレスの美しさは、凄まじかった。
なんて美しいんだ…頭もお顔も小さい……手足が長い………と、その姿を見ただけで思考が停止してしまうほど、花總さんのドレス姿が美しくて、それだけでもこの作品には一見の価値があると言えるだろう。
メイクが綺麗
高嶺さんはメイクが上手い。
時代故に、濃いめの宝塚らしいメイクではあるものの、ゴテゴテした印象を残さないように仕上がっている。
とても綺麗で、惚れ惚れしてしまった。
特に目元のキリリとした美しさは、“女性と数々の浮名を流した色男ヴァルモン”という役柄にぴったりで、高嶺さんの危うい色気をさらに濃くしていた。
花總さんのメイクも、どこか冷たい印象を与えるような、気高く美しい表情を作り出していて、かなり好きなビジュアルに仕上がっている。
出演者の層の厚さ
これは、杜けあきさんや一路真輝さんがトップだった時代からだが、当時の雪組の層の厚さは、本当に凄い。
そして、芝居の雪組と言われただけあって、ただ層が厚いだけでなく、みんな若手時代からしっかりとした実力を身に着けて、トップを支えている印象を受けた。
ダンスニー男爵を演じた轟悠さんをはじめ、星奈優里さん、和央ようかさん、安蘭けいさん、紺野まひるさん、貴城けいさんなど、後にトップとして、宝塚で活躍するスターがごろごろといる。
個人的には、スッシーさんこと寿つかささんがいるのもたまらなく嬉しい。
(私、スッシーさん大好きなんです。宙組時代、生で観て格好良い……とテンションが上がりました。)
絶妙な芝居の掛け合い
この作品では、その実力が存分に発揮されている。
主演の2人はもちろん、星奈優里さん演じるトゥールベル夫人の純潔な美しさと存在感、そして、轟悠さん演じるダンスニー男爵の真っ直ぐな心など、どこを取っても見応えのあるお芝居だ。
その中でも特に印象的だったのは、ラストのダンスシーンである。
最後の逢瀬で、ようやく自身の仮面を外したフランソワーズ(メルトゥイユ公爵夫人)が流す涙は、何度観ても、息を呑む美しさだ。
「ううん…あなたのいなくなる今日、私の命も終わるのよ。」
ジャンピエール(ヴァルモン子爵)に、急ぐだろうと問われて、答える「ううん…」が絶妙に色っぽい。
このセリフと共に振り返ったフランソワーズの瞳から涙が一筋流れる瞬間、あまりの美しさにぶわっと身体が震えた。
「ジャンピエール、楽しかったわ。」
フランソワーズのこのセリフに呼応するように、2人が抱き合い、交わす口づけは甘く切なく、そして、本当に美しい。
2人だけの舞踏会の最中、こぼれ落ちるように囁かれる、ジャンピエールの
「楽しかったよ。」
というセリフが、まさに、2人のトップとしての関係性を表しているようで、胸に迫るものがあった。
ジャンピエールが微笑んで、そっとフランソワーズの涙を拭うシーンがあるが、そこも胸を掴まれること間違いなしである。
高嶺さんは本当に、2枚目の色男の役がよく似合う。
フランソワーズを抱きしめる時も、口づけを交わす時も、涙を拭う時も、本当に色っぽくて、美しかった。
個人的に、このラストシーンは、退団する高嶺ふぶきと、それを見送る花總まりの、それぞれの想いが芝居に、役に、投影されているようで、何度観てもぐっときた。
最後に
一路さんとのコンビも、高嶺さんとのコンビも映像でしか観たことがないけれど、どちらも色褪せることなく、いつ観ても素敵だなと感じます。
劇場で観られなかったのが悔しい!と思ってしまうほど、魅力的なコンビです。
雪組時代は、ショーなどで、花總さんにも、まだあどけなさが残る場面もありますが、やはり、芝居となると話は別物で、完全にメルトゥイユ公爵夫人という役を咀嚼し、自分のものにしていた彼女に驚かされました。
「エリザベート」での経験が、花總さんの芝居をさらに高みに押し上げたことがよくわかります。
ドレスでの動き方や、セリフの言い回しなど、「エリザベート」を経て、より洗練されたようで感動しました。
初めて観たときは、幼くてよくわかっていなかった部分が、改めて観ると理解できて楽しかったです。
この時代に花總さんに出会っていたとしても、私は確実に、彼女のお芝居に魅了されて、ファンになっていただろうな……。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
また、花總さんの出演している作品を、宝塚時代のものから見直して、ちょくちょく感想を書いていこうかなと思っていますので、お時間のある方はぜひどうぞ。
では、また。