こんにちは、悠です。
今回は、ドラマ『空飛ぶ広報室』について。
新垣結衣さん主演の、個人的に大好きなドラマです。
お時間のある方はぜひ。
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はじめに
個人的には、結衣ちゃん(新垣結衣さん)出演のドラマの中でも、『空飛ぶ広報室』は、かなり好きなドラマである。
当時、リアタイしていなかった自分が恨めしいが、その数年後、偶然、再放送を見て、気づけば、どハマリしていた。
まず何より、キャスト陣が、個性豊かで、とても豪華。
主演の結衣ちゃんはじめ、相手役に剛さん(綾野剛さん)、その他の共演には、柴田恭兵さん、水野美紀さん、ムロツヨシさん、要潤さん、高橋努さんなど、それぞれキャラクターにぴったりとはまるお芝居で、どのエピソードも見応えがあった。
しかも、結衣ちゃんと剛さんの組み合わせが、想像以上にお似合いで、少女マンガにも負けないくらいの、胸キュンも味わえる。
航空自衛隊がメインのドラマなので、おそらく実現には、私たちが想像する以上のハードルがたくさんあったと思うが、この時期に(ドラマが放送されたのは2013年)、このキャストで、この題材のドラマが出来たことは、奇跡に近いことだと感じている。
心に残る言葉の数々
このドラマを語る上で欠かせないのは、詐欺師鷺坂の異名を持つ鷺坂室長役の、柴田恭兵さんだ。
この人なしには、このドラマは成立しなかったと言っても過言ではないくらいに、「勇猛果敢、支離滅裂」を地で行くタイプの鷺坂室長の言葉に、何度もはっとさせられた。
- 「意志あるところに道はひらける」
特に、全編通してずっと印象に残っているのは、このフレーズだ。
どんなに困難に見えても、それを乗り越えてやるという意志さえあれば、道はひらけていくのだというのが、ドラマのエピソードを通して、伝わってきて、今の自分を支える言葉になっている。
- 「正しい主張だからこそ、怒鳴っちゃいかんのよ。怒りを相手にぶつけるな。」
「努力もせず理解しろってのは、そりゃあ虫が良すぎるって話だ。」
この言葉も、印象的だった。
怒りという感情を我慢することはない、でも、その感情にかまけて、相手にぶつけることは、何の解決にもならない。
相手に理解してもらえないと嘆くより、まず、相手を理解すること、相手に理解してもらうために自分ができることを考えるのが大切なのだと、改めて実感した。
- 「一緒にいたいと思える相手と、一緒にいられる時間なんて限られてるんだぞ。」
剛さん演じる空井が、要潤さん演じる片山さんに放った言葉を、片山さんが空井にそのまま返したこのセリフも、とてもよく覚えている。
大切な人に気持ちを伝えられることが如何に尊いことなのか、ドラマのメインでもある、自衛官という職業も相まって、より身に沁みて感じられた。
- 「どんなに失敗しても、なりたいものになれなくても、人生はそこで終わりじゃない。」
「どこからでも始めることができる。」
このセリフは、結衣ちゃん演じるリカ(稲葉リカ役)が、航空自衛隊の説明会で使った言葉だ。
なりたいものになれなかったリカだからこそ、なりたいものになれなくても、必死で頑張っている空井と共に過ごしてきたリカだからこそ、この言葉の重みがより一層感じられて、心に残っている。
- 「あの日から時計の針が止まってしまった人がたくさんいる。でも、それでも、前に進もうとしている人達が…前に進もうとしている人達が、たくさんいる。勝手な願いだが、俺は、お前達に諦めてほしくない!」
最終話は、震災の話を基に作られていて、ここで言われる「あの日」とは、東日本大震災が起こった3月11日のことである。
このセリフを、言葉に詰まりながら、また、目に涙を溜めながら絞り出す鷺坂室長の姿に、見ているこちら側も、泣けてしまった。
作品の中では、これまで数々の困難を乗り越えてきたリカと空井に向けての言葉だが、震災を含む様々な理由で、心に傷を抱えるすべての人々に、「諦めてほしくない!」という言葉が、届いたのではないかと思う。
私もこの言葉に、勇気をもらえた一人だ。
リカと空井の恋模様
このドラマの見どころのひとつには、リカと空井のじれったい恋模様がある。
お仕事ドラマとしても楽しめるが、やはり、2人のじれったくて、もどかしい恋の様子は、何度見てもきゅんきゅんしてしまう。
無意識天然人たらしの空井に振り回される、なかなか素直になれないリカ。
この2人の出会いは、最悪なものだった。
「戦闘機って人殺しのための機械ですよね。」
そんな心無いリカの一言が、膝の怪我によりパイロットの夢を絶たれた空井に投げかけられる。
でも、空井のことを全く知らないリカの放った、言葉の刃によって、それまでしまい込んで、ずっと目を逸らしてきた、空井の感情が爆発する。
この瞬間、彼の止まっていた時間が動き出したのだと感じた。
最悪の出会いから始まった2人だが、密着取材をきっかけに、リカは空井の怪我について知ることになる。
「自衛官も人間ですから。」
自衛隊という組織に対してのリカの誤解や思い込みを知って、ムロさん演じる比嘉さんが言うこの言葉は、本編の中で、特に印象に残った。
リカがカメラをしまって、空井の苦しみにそっと寄り添う姿は、夢破れた自らと、空井の境遇を重ねているようにみえる。
あと、リカに頭を撫でられる空井が、まるでわんこのようで、きゅんとしてしまった。
「自分、稲葉さんのために生きてみようと思います。」
なんて、どう考えてもプロポーズとしか思えない言葉をさらりと言い放つ空井に翻弄されて、あわあわするリカはとても可愛い。
結衣ちゃん本来の可愛さが、少し見え隠れする瞬間だ。
初回放送時には、キャラの性格上、憎たらしささえ感じさせるリカが、回を追うごとにどんどん可愛くなっていくのも、このドラマの見どころである。
ちなみに、空井は最初から最後までずっと可愛いので、これまでの剛さんのイメージとはかなり異なるが、空井のわんこ感がたまらなく良い。
第二話で、リカが自らの過ちに気がつき、ナポリタンを食べながら涙を流すシーンでは、今度は空井がリカに言葉なく寄り添う。
互いを知るにつれ、少しずつ近づいていく2人の距離に、やっぱりきゅんとしてしまう。
第二話の最後、にっこりと笑ったリカに空井が見とれるシーンがあるが、そのシーンを見るたびに、リカ役が結衣ちゃんであってよかったなと思う。
笑顔ひとつで、あんなにも胸をときめかせることができるのは、新垣結衣ならではの魅力だと感じた。
そして、忘れてはならないのが、第四話の”エレメント”回だ。
「僕たちは、エレメントみたいなもんなんで。」
「互いを近くで感じて、五感をフルに使って、存在を意識しながら同じ場所を目指して飛ぶ。」
この空井の言葉が、とても印象的で、この”エレメント”という表現は、かなり気に入っている。
「男と女が、男と女でしかいられない世界なんてつまらない。」
第四話で紡がれる、柚木と槙、そして、リカと空井の関係性がこの言葉に凝縮されていて、先の”エレメント”の言葉に繋がるのだが、とても共感できる言葉で、特に心に残った。
第五話で、2人が隣り合って朝焼けを見つめるシーンでは、またまたきゅんとさせられる。
「いろんな人がいて、いろんな気持ちがあって、綺麗な朝焼けを一緒に見たいと思える人が、いたりして。」
そのあと、2人の目が合って、逸らしちゃったりして。
見ているこちらが照れくさくなってくる。
そして、ここからしばらく、2人の気持ちは微妙にすれ違う。
空井は、リカに彼氏がいると誤解して、リカも、空井の好みのタイプを誤解したまま。
”仕事にまい進する同志”として、互いにそれぞれ進んでいく。
「楽しみにしてるんだから、空井さんの新しい夢。」
「隣で、見てますから。」
そう言ったリカの横顔に見とれる空井の姿に、片山さんと同じく「奪え!」と言ってやりたくなった。
奪うも何も、リカに彼氏はいないのだけれど。
それを知っているので、見ている側としてはもどかしいことこの上ない。
第七話は、個人的にもかなり好きな話だ。
航空救難団(メディック)が登場したり、鷺坂室長の過去にスポットをあてたエピソードになっている。
空井が、嬉しそうにリカを呑みに誘う姿は、やはりわんこそのもので、藤枝がリカの彼氏ではないと知ったあとの破顔っぷりは、もうどうしようもないくらいにやけていて、こちらも頬が緩んだ。
やっと誤解が解けて、なんだかとっても幸せそうな空井が微笑ましいが、続く八話では、急展開が訪れる。
リカの父の話や、南明奈さん演じる芳川さんの話など、この回もエピソード盛りだくさんだったのだが、やはり、リカの思い出の猪苗代湖を、輸送機で通過するシーンは印象的だった。
北海道行きの輸送機に乗り込む際に、手を取り合う2人の空気感が柔らかくてとても素敵で。
猪苗代湖を通過したとき、リカの瞳にうっすらと浮かんだ涙と、それを見つめて、思わず目を逸らす空井の表情が、心に残っている。
このあと、前に記した「どんなに失敗しても、なりたいものになれなくても……。」のリカのセリフに繋がるが、ここの説明会のシーンの流れは、いつ見ても、感動と胸キュンが交互にやってくるので、困る。
「2秒ください。」
その言葉とともに、リカの唇を奪った空井と、その空井の手を言葉なく取って走るリカの姿に、2人の想いがやっと結実したのだと、そう思えた。
なのに!やっと結ばれたと思ったのに!!
2人には、また壁が立ちふさがってしまう。
空井と空幕広報室を守るために、彼らから離れる決断をしたリカの、真っ青な唇を見て、胸が苦しくなった。
「間違えました。間違いでした。間違いだったんです。」
ここは、見ていてかなり辛いシーンだった。
互いのことを思って、互いのために距離を取る2人が切なくて。
一人で涙するリカと、リカの元に駆けだしたくても、リカのため、空幕広報室のために、それができない空井の姿に、見ている私も、胸を締め付けられるような思いだった。
それからしばらくした後、ついに空井の企画が実現にこぎつける。
そして、リカと空井は、久しぶりの再会を果たすことになる。
桐谷健太さん演じるキリーが、ブルーインパルスに乗るという、空井の企画を、約束通り、空井の隣で見届けたリカ。
空にかかるバーティカルキューピッドがあまりにも綺麗で、この2人の関係が新しく、再び始まったような、そんな気配を感じさせる、とても美しいシーンだった。
2人がまた一緒に仕事ができるというその直前、東日本大震災が彼らを襲う。
災害を目の当たりにしたからこそ、リカに荷物を背負わせたくなくて離れようとする空井と、その空井の真意を知って、彼の想いを尊重し離れようとするリカが切ない。
震災の側面を丁寧に描き出している点も、非常に印象的だったが、そこから、止まってしまった時間を動かそうと奮闘する人々の姿を、空井とリカに重ねて描いている点も、心に残っている。
「空井さんは、たくさんのものを抱えてて、抱えきれないくらいで。でもきっと、私には抱えて欲しくなくて。」
「あの人は、ただでさえ一生懸命で…いつも自分から、険しい道を、選んでしまう人だから。」
「自分がどんなに辛くても、あの人は…私には笑っていてほしい、そう思ってるんです。」
こんなにもお互いのことをわかっていて、誰よりも深く想っているのに。
否、お互いを大切にしすぎるが故の、身を引くという決断が、切なくて辛かった。
最後、諦めかけた2人の心を繋ぐ、鷺坂室長の「諦めてほしくない!」という言葉が印象に残っている。
この言葉に背中を押されて駆けだした2人を見て、思わずカメラマンの坂手さんと同じようににやにやしてしまった。
「私の幸せは、私が決めます!」
そう言って空井の頼りなさげな愛の言葉を引き継いだリカに、わんこのようにじゃれつく空井を見て、この2人はもう大丈夫だなと、そう確信できた。
ハグも、リカをくるくると回す空井の姿も、お互いに思わずこぼれた笑顔も、そっと繋がれた手も。
どれも幸せに満ち溢れていて、これまでの過程を思うと、嬉しくて泣けた。
リカにでれでれの空井が可愛いし、相変わらずさばさばとしていて、男前なリカもカッコいい。
2人の満面の笑顔の写真の甘さに、胸やけしそうになったくらいだ。
べたなハッピーエンドに、こんなにも喜んだのは、このドラマだからこそだろうか。
リカも、空井も、幸せになってくれて本当に良かったと思える、素敵な最終回だった。
まとめ
震災を扱った作品の中でも、この作品は一味も二味も違った名作ドラマだと思っている。
随所に散らばった、心に残る言葉は、今でも私を支えてくれる。
また、震災について、あまり語られてこなかった別の側面を取り上げていて、様々なことを考えるきっかけを与えてくれた作品でもあった。
ドラマの続編は厳しいだろうが、原作小説でもいいので、スピンオフ的な、リカと空井の新婚生活、的なの見たいなぁ……と未だに思うほど。
あまりにドラマが好きすぎて、原作小説も買った。
また、広報室のメンバーに会いたいなぁ……。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
では、また。