こんにちは、悠です。
今回は、フレデリックの『SENTIMENTAL SUMMER』について。
夏も終わりに近づいてきて、ふとこの曲が浮かんできたので、衝動に任せて筆を執りました。
短いブログとなっていますので、お時間のある方はぜひ。
2020年、夏
春から夏にかけて、音楽フェスが相次いで中止になった2020年。
フレデリック×INTによるオンラインライブでこの曲を聴いて、胸がぎゅっと締め付けられるような気持ちになった。
次々と発表される“中止”や“延期”。
それに比例するように増えていく感染者。
当時は、先の見えない不安が、世界中に蔓延していたように思う。
私自身もとにかく不安で、世界がどう変わってしまうのか、とても怖かった。
2015年から毎年行っていた、思い入れのある夏フェスの中止。
その年観劇予定だったミュージカルも、地方公演もろとも中止。
仕方ないと頭ではわかっていても、気持ちが追いつかない日々だった。
そんな中でリリースされたのが、フレデリックのEP、「ASOVIVA」である。
ASOVIVA (初回限定盤 CD+DVD) [ フレデリック ]
(『SENTIMENTAL SUMMER』だけでなく、『されどBGM』や『正偽』、今やライブの定番曲となっている『Wake Me Up』まで収録された、濃密なEP。『されどBGM』については、またどこかで単体でブログに綴りたいと思っています。いろいろと辛い思いもした2020年、このEPを届けてくれたフレデリックに、私はとても救われました。)
そこに収録されていた『SENTIMENTAL SUMMER』を聴いて、私は失った夏を嘆くのをやめた。
印象的な歌詞
今回も個人的に印象的だった歌詞を、いくつか紹介したいと思う。
“夜がずっと短くなって”
“夏の匂いに目を開いた”
“褪せたシャツを眺めてそっと”
“熱くなった 熱くなった”
“夜がずっと短くなって”という表現だけで、“夏”を連想させ、“夏の匂い”をかぐのではなく、匂いにつられて、ふと“目を開いた”という表現に着地させるのが好き。
シーンが頭に浮かぶのが凄い。
また、“褪せた”という一言で、どこかセンチメンタルな気持ちを呼び起こし、“熱くなった”と繰り返すことで、その感情を強調する。
歌い出しだけで、曲の物語の中に引っ張られていくような感覚だった。
“孤独を知るほど僕は言葉が溢れだしそうだ”
ここのフレーズは、書き手である康司さんの気持ちを表しているのかと思っていたが、今改めて聴くと、自分自身に置き換えても当てはまると感じて、ぐっときている。
初めて聴いたときから、印象的なフレーズだった。
“砂に混じった想い”
“灼けつく太陽”“汗をずっと冷まさぬように”
この部分の歌詞は特に、夏のフェスの景色を連想させる。
瞼の裏にその景色を呼び起こして、想いを馳せてしまった。
寂しさを感じるような、刹那的なメロディーが好き。
夏の夕暮れ時の、少し気怠い風を感じさせる。
“鮮明に いつだって いつだって 熱を帯びた歌が僕を呼んでいる”
“鮮明に いつだって いつだって 君と過ごした夏が僕を呼んでいる”
“鮮明に”という言葉が、とても印象に残っている。
サビでグッと盛り上がるメロディーに加えて、“鮮明に”という言葉が、脳内に思い描いていたセピア色の景色に色をつけるような、そんな不思議な感覚だった。
“熱を帯びた歌”と“君と過ごした夏”。
思いっきり歌って、踊って、楽しんでいる観客の姿が目に浮かぶようで、その“熱さ”の中に自分も居たんだなと思い返すと、感情が昂った。
胸がぎゅっとなるような健司さんの歌声と、繰り返されるサビの歌詞に、心を打たれた。
“君と過ごした夏を呼び覚ます日まで”
2021年の夏、会場を変更する形で行われた夏フェスでこの曲を聴いたとき、完全体ではないけれど夏が帰ってくるんだという希望を感じて、ボロボロ泣いた。
2020年は画面越しで聴いていたこの曲を、夏フェスで生で聴けたことが本当に嬉しかった。
フレデリック Live at ASOVISION〜FRDC × INT〜(2020.9.27)
先程紹介した『SENTIMENTAL SUMMER』の映像は、このオンラインライブのものである。
こちらのダイジェストも、ぜひ観て聴いてほしい。
とてもわくわくする、オンラインならではの遊び心に満ちた、凄いライブだった。
画面を自由自在に舞う歌詞や巧みな映像演出、すべて生である。
これだけこだわり抜かれた演出が、リアルタイムに変化していく様子は、観ていて鳥肌が立つ。
まさしく、“ASOVIVA(遊び場)”だった。
オンラインライブとオフラインライブ、どちらにもそれぞれ魅力があって、フレデリックは、そのどちらの楽しみ方も否定しない。
むしろ、オンラインならではの演出を考えて、その魅力を活かして、常に楽しませてくれるフレデリックが、最高に格好良いなと感じた。
彼らの音楽を、もっと聴いていたいなと思わせる、素敵なオンラインライブだった。
最後に
夏の終わりの空気に影響されたのか、『SENTIMENTAL SUMMER』がふと頭に浮かんで、勢いのままに書きました。
『シンクロック』に並ぶくらい、大好きな曲です。
コロナ禍で世界が大きく変化して、様々な考え方の違いが顕著になったことで、いろいろな分断が増えたように感じていて。
正直、生きづらいなと思うことも多々あります。
そんな中でも、違いを否定せず、個性を否定せず、人それぞれの考え方を否定しない姿勢を貫くフレデリックに、何度も勇気をもらいました。
フレデリックの音楽は、途切れることなくずっとそこに居てくれたし、ライブやリリースという形で、何度も会いに来てくれました。
尊敬できる、素敵なバンドを好きになれて、本当によかった……!!
9月から始まるツアーを目標に、日々の生活も頑張れそうです。
ありがとう、フレデリック……。
後半はポエムチックになってしまいましたが、好きな曲語りに最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
他にも書きたい曲があるので、またのんびり書き進めたいと思います。
では、また。