こんにちは、悠です。
今日は、個人的におすすめの絵本を紹介する、絵本 の世界シリーズ、第三弾。
(もし少しでも気になるな、と感じていただけたなら、ぜび!前回の記事も読んでみてください!!)
今回おすすめする絵本は、『どろんこハリー』(ジーン・ジオン作・マーガレット・ブロイ・グレアム絵)。
お時間のある方は、ぜひ覗いていってください(*'▽')!
(※この記事では、紹介する絵本のネタバレを含みますので、その点はご了承ください。)
『どろんこハリー』(ジーン・ジオン作・マーガレット・ブロイ・グレアム絵)
どろんこハリー (世界傑作絵本シリーズ) [ ジーン・ジオン ]
絵がとても可愛くて、この表紙が強く印象に残っています。
しかもこれはサンタさんからのプレゼントだったはず……。
子どもの頃の嬉しかった記憶と共に、わくわくするお話をよく思い出していました。
こちらもお気に入りの一冊です。
ハリーのイラストが使われたグッズやぬいぐるみ、Tシャツもあります。
[Out of Print] Gene Zion / Harry the Dirty Dog Tee (White)
個人的には、ハリーの生地が可愛らしくてお気に入りです。
子どもたちはもちろん、大人が手提げバッグや巾着として使っても可愛いと思います。
■ストーリー(ネタバレあり)
➡お風呂が大嫌いなハリーは、黒いぶちのある白い犬。
ある日、お風呂を入れる音を聞いたハリーは、ブラシをくわえて外に逃げてしまう。
ブラシを庭に埋めて、完全に隠してしまったハリーは、そのあと、外でめいっぱい楽しく遊んだ。
道路工事の現場で遊んだり、線路の橋の上で遊んだり、他の犬と追いかけっこをしたり。
さらには、石炭のトラックを滑り台にして遊んだので、全身が泥まみれの、煤だらけになってしまう。
ハリーの黒いぶちのある白い身体は、いつの間にか、白いぶちのある黒い犬のようになってしまった。
ハリーはもっと遊びたかったけれど、家出をしたと思われたら困ってしまうし、くたびれたし、おなかもぺこぺこになったので、その姿のままで、走って家に帰った。
ところが、ハリーが家に帰ってきても、誰もハリーだと気づいてくれない。
「ぼくがハリーなんだよ」
それに気づいてもらいたくて、ハリーは知っている芸をたくさんやって見せるけれど、家族には、ハリーみたいだけれどハリーじゃないと言われてしまう。
がっかりしてしまったハリーだったが、ふと先ほど庭に隠したブラシのことを思い出して、埋めてあったブラシを掘り出した。
そのブラシを持って、家の中に駆けこんだハリーは、一目散にお風呂場へ行って、綺麗に洗ってもらった。
泥や煤を落として、黒いぶちのある白い身体に戻ったハリーを見て、家族はやっとハリーだということに気づく。
「じぶんのうちって なんて いいんでしょう。」
ハリーは、自分の家のお気に入りの場所でぐっすり眠ってしまった。
ふとんの下に、硬いブラシを隠したことなんて、ハリーはまったく気にならなかった。
■作者について
作者は、アメリカの絵本作家兼、グラフィックデザイナーであるジーン・ジオン。
絵を担当している、カナダのトロント出身のマーガレット・ブロイ・グレアムとは夫婦である。
1956年に原著が白黒版で出版。
2002年に原著でイラストを担当したグレアム自身が色を加えたバージョンが再販された。
日本では、1964年に渡辺茂男の翻訳により出版。
(余談だが、渡辺茂男は他にも、『エルマーの冒険』シリーズや、『おさるのジョージ』シリーズの翻訳も担当している。)
180万部を超えるロングセラーとなり、発売されてから50年以上経った今でも、家族で読める絵本として、日本でも親しまれている。
また、2004年には、英語と日本語の両方での朗読CDが付いたバージョンも発売された。
どろんこハリー HARRY the Dirty Dog (CDと絵本) [ ジーン・ジオン ]
ハリーの愛くるしいイラストが印象的で、他にもハリーが登場する作品がいくつも出版されている。
ハリーとうたうおとなりさん (こころのほんばこ) [ ジーン・ジオン ]
うみべのハリー (世界傑作絵本シリーズ) [ ジーン・ジオン ]
ハリーの様々な姿が見られるハリーシリーズは、どれも一緒になってわくわくできるものばかりなので、家族みんなで楽しめる絵本としてぴったりの作品である。
■やんちゃなハリーと一緒に冒険しよう
この絵本の好きなポイントは、ハリーと一緒に、いろいろな感情を共有できること。
ハリーがブラシを隠すときも、めいっぱい楽しいことを探して遊んでいるときも、家族に気づいてもらえずに寂しくなってしまうときも、子どもから大人まで、みんながハリーと一緒に、わくわくしたり、どきどきしたり、といった感情を共有できるのが、とても魅力的です。
難しい感情や物事を絵本で学ぶのも、素敵で意義のあることですが、この作品のように、とにかく楽しく読める、絵本らしい絵本も子どもたちにとって、とても大切だと感じます。
主人公のハリーに気持ちを重ねて、自分とは違った立場で、喜怒哀楽を体験できることは子どもたちにとって、新しい感覚に触れるきっかけになるはずです。
文字数も多くないので、子ども自身でも読みやすく、読み聞かせにも向いている作品です。
ぜひご家族みんなで読んでみてください!!