こんにちは、悠です。
TREASUREメンバー紹介シリーズを書き終え、今回は閑話をひとつ。
大したことのない思い出話です。
お暇な方どうぞ。
好きだった服を見つけた話。
先日、衣替えをしようとラックを整理していたら、小学生の頃からずっと持っているオレンジ色のロング丈ワンピースを見つけました。
小学3年生か4年生の誕生日に、母からもらった、少し大人びたプレゼントです。
誕生日の少し前、母とウィンドウショッピングをしていたときに、これ可愛い!と一目惚れしたものでしたが、その時はお小遣いが足りなくて買えず……。
それがまさか誕生日プレゼントとして貰えるなんて本当に嬉しくて、昨日のことのように覚えています。
今考えてみると、母はウィンドウショッピングと称して、私が欲しいと思う誕生日プレゼントを探してくれていたんだなと、胸の奥があたたかくなりました。
そんなビハインドがあるロング丈ワンピース、お気に入りと言いつつ、着た回数は片手で数えるほどしかありません。
そんなことで?と思われるかもしれませんが、当時の私にとっては、結構傷つく出来事があったからです。
とある休日、私はそのワンピースを着て、母と二人でショッピングにでかけました。
よく晴れた暑い日だったので、肩の出るそのワンピースがぴったりの気候で、とても浮かれていたのをよく覚えています。
普段行くスーパーよりも、ちょっと大きなショッピングモールは、休日だったからか、同年代の子どもたちもいて、賑わっていました。
エレベーターに乗って下りている最中、向かいから同年代と思える男の子たちが上がってきました。
その二人組は、こちらをジロジロと眺めていて、なんだか嫌な感じです。
気分が悪いなと思い顔を伏せると、向かいから一言、言葉が鋭利な刃物のようにふりかかってきました。
「あの顔でよくあんな格好ができるよな。可愛い服着たって、あの顔じゃあな。」
「おい、聞こえたらどうするんだよ。でもあれは俺もないわ。」
言われた言葉は今でも鮮明に思い出せます。そのくらいの大きな衝撃を受けました。
別に、自分の顔が可愛いだなんて思っている訳じゃありません。
でも、可愛いと思った服を、好きだと思った服を着ただけで、どうしてそんなことを見ず知らずの他人に言われなくてはならないんだろう……そう思うと、悔しいやら、胸が痛いやら、様々な感情が沸き起こりました。
急に表情が曇った私に気づいた母は、私の話を聞いて、「きっと聞き間違いだよ。もしそうじゃなかったとしても、あなたはあなただから。見ず知らずの失礼な他人の言葉なんて、気にする必要はないんだよ。」と声をかけてくれました。
その意味が頭ではわかっても、なかなか心では受け入れきれなくて、それからその服が着られなくなりました。
着たいと思っても、心が怖がってしまって、どうしても着られなかった。
またそんなことを言われるのが嫌で、結局家の中で時々着てみることくらいしかできませんでした。
とても悔しかった。
言葉は、時に、誰かを傷つける凶器になるんだと、その時、初めて知りました。
そこからもう十年以上の月日が流れ、いつの間にか大人と呼ばれる年齢になったある日。
ワンピースと共にそんな思い出が浮かんで、なんだか懐かしくなった私は、着てみようかなと試みたのですが。
物理的に着れませんでした。
そりゃあそうですよね……なんてったって、小学生の頃の服ですから……サイズが小さすぎます。
あまりのパツパツ具合に、当時の辛い記憶も忘れ、笑ってしまいました。
そんな風に、他人の言葉に傷ついて、上手く消化しきれなかった頃もあったなと、今では懐かしさすら覚えます。
言葉は凶器にもなるけれど、傷を癒やすこともできるんだと知った今なら、このエピソードを笑って話せるかなと思い、ブログに綴ることにしました。
あとは、私と同じようなことを言われた経験がある方が、他にもいらっしゃるんじゃないかなと思ったから。
今まさしく、容姿への心無い言葉に傷ついている方に、母の言葉を、私の今の気持ちを伝えたいと思いました。
大丈夫だよ、とは言いません。
実際私は、この話を笑ってできるようになるまでそれなりの時間がかかったし、当時は結構傷ついたから。
でも、そういう痛みはいつかは癒えるものだと言うことを知ってほしい。
痛いし、辛いし、ムカつくけど。
そればっかり抱えてたら、より一層しんどいです。
だから、誰かにぶちまけてもいいし、紙に書き殴ったっていいし、布団に向かって大声で叫んだっていい。
私なんて、今じゃ家族介護のストレスを鍵垢の下書きにじゃんじゃん溜め持ってます。
あと、ムカつくときはわざと大音量でTREASUREとかフレデリックとかBUMP OF CHICKENとか流して、「推ししか勝たん」とか言いながら、歌って家事してやります。
そのくらいでいいんです、たぶん。
自分の機嫌をとるのは自分しかいないんだと開き直ってから、少しだけ息がしやすくなった気がします。
自分の経験と勝手な思いを、随分長く語ってしまいましたが、今回は閑話なので、さらっと見逃していただけると幸いです。
あと、言葉の刃物に遭遇したときは、言葉の魔法を探してみるのを、おすすめします。
私の場合、それは、好きなアーティストの曲だったり、好きな作家の本だったりしますし、そういうものは人によって様々ですが。
そういうものがあることで、少し気が楽になるというか、肩の力が抜けるというか、とにかく結構な確率で癒やされます。
自分に合ったヒーリング方法を探すのは、自分の機嫌を自分でとるために、かなり重要なんだなと改めて感じました。
締め方がわからないんですが、この辺で終わろうと思います。
これからも、自分の機嫌を自分でとりつつ、楽しく推し活続けていきたいな……。
とりとめのない閑話にお付き合いいただき、ありがとうございました。
では、また。