お久しぶりです、悠です。
しばらく良いものを浴びるように体感してインプットする期間を過ごしていました。
良いものを体感したので、アウトプットしていこうと思います。
まず、今回は、7/3に名古屋ELLで行われた、フレデリックのライブについて、超個人的な感想をまとめてみました。
お時間のある方はぜひ。
はじめに
チケットの倍率がえげつないことになっていた、今回のフレデリックのフレデリズムツアー2019~リリリピート編~。
私もファンクラブ先行、各種チケットガイド先行ともに全滅。
一般発売を残すのみとなり、心が折れかけていたが、発売開始直後、奇跡的に一般が繋がりチケットを手に入れることができた。
そんなチケット戦争を勝ち抜き、地元である名古屋で、彼らの最高のライブを体感することができたのは、本当に幸運だったと思う。
私が初めて彼らの存在を知ったのは、『SPAM生活』のMVがきっかけだった。
音楽好きの友人に勧められるがまま、「めっちゃ面白い曲見つけたから聴いてみて!」と言われて、『SPAM生活』のMVを見せられた。
当初は、「なんだか不気味すぎる…」という失礼な印象を抱いていたが、初めて聴いた時から、「死んだサカナのような眼をしたサカナのような生き方はしない」という、言いたいことがわかるようでわからない、そんなフレーズに脳が囚われてしまって、衝撃を受けたのをよく覚えている。
気づくとそのフレーズを口ずさんでしまって、そんな風に無自覚に曲にハマったことがなかったので、恐怖すら感じたほどだった。
ただ、そこからすぐにファンになったかと言えば、そうではない。
当時、あまりバンドの楽曲になじみのなかった私には、フレデリックの個性は強烈すぎたのだ。
『オドループ』が話題になっていたときも、すごいなとは思っていたが、遠巻きに眺めていたし、CDを買ったり、ワンマンライブに行ったりするようなことはしなかった。
フレデリック「オドループ」Music Video | Frederic "oddloop"
最初の”怖いくらい”の衝撃が、逆に、私の足をフレデリックから遠ざけていたように思う。
他のバンドの曲を聴いたり、ライブに行ったり、という日々を過ごしていた私は、2017年の夏フェスで、再びフレデリックに衝撃を受けることとなる。
まず、リハで演奏された『ナイトステップ』。あまりにも好みドストライクのメロディーで動揺し、続く『愛の迷惑』で、「あれ?私の知ってるフレデリックとちが…う?」と混乱。
フレデリック「ナイトステップ」Music Video / frederic "Night Step "
初めて聴いた『KITAKU BEATS』であまりの楽しさに踊り狂い、『まちがいさがしの国』で、健司さんの「もっともっと深いところまでいきませんか」の言葉通り、完全にフレデリックの沼に陥落した。
本当に、あまりにもライブが良すぎて、そのまま、ワンマンのチケットを買ったほどだ。
「30分一本勝負」でMCほぼなし、音楽の力だけでぐいぐいと迫ってくるフレデリックのライブは、最高に格好良くて、”怖いくらい”の中毒性をはらんでいた。
そこからは順調にフレデリックの沼にどっぷりとハマり、初アリーナも見届け、新しくリリースされる作品ももちろん購入。
今やフレハウスの住人である。
そんな私にとって、今回のツアーは他のライブよりも一層特別なものになった。
本編(ライブの感想)
まずSEの『パパマーチ』で1回目の奇声をかました。
まさかの『パパマーチ』始まり!
まさかライブで聴けると思ってなかったので、一気に会場のボルテージも私のテンションも限界突破。
♪ぶよぶよと不気味に揺れるベースが鳴って、超超イントロドン並みの速さで反応したのは、個人的な思い入れもある『SPAM生活』。
最高だった!!!良い意味での、気持ち悪さ、得体の知れなさはそのままに、音源の何倍も健司さんの歌い方が色っぽくて。
しかも、康司さんのハモりがすごく綺麗で、不気味、というよりは、妖しさが増し増しになってた。
武くんのドラムで『SPAM生活』を聴くのが初めてだったんだけど、武くんのドラムやっぱり好きだ……と実感。
やばかった。
「死んだサカナのような眼をしたサカナのような生き方はしない」のフレーズがこんなに楽しく聴ける日が来るとは……。
当時の衝撃を懐かしみつつ、今のフレデリックでこの曲が聴けることが嬉しかった。
♪2曲目は『DNAです』。
ライブで聴いてから、ずっと脳内に流れてる。
好き。武くんのドラムが!格好良かった!!
あと、この曲は隆児さんのギターも好きだったりする。
初めてライブで聴いたけど、最高に楽しかった。
会場もイントロの段階で湧いてた。
♪そして3曲目、『オドループ』。
繋ぎの音でわかっちゃって、かなり浮かれてしまった。
ライブで聴く『オドループ』はやっぱり別格。
音源より音の数が増えて、密度が濃くなってるから、個人的には音源より圧倒的にライブ派なんだけれど、『オドループ』は特にそう感じる。
絶対マンネリさせないアレンジを聴かせてくれるし、毎回いろんなところを細かく変えてくるので聴き応えある。
カスタネットのところとか、手拍子が揃いすぎてて笑った。
歌うところも声大きかったし、一体感凄かった。
隆児さんはこの日も、気持ちよくギターソロで反ってた!
私が見た史上、最も反ってて笑った。
その前の健司さんに迫るところも超楽しそうで、悪戯っ子みたいな顔してたし!
メンバーが気持ちよさそう&楽しそうなので、それがお客さんにも伝染してた印象。
会場の踊りっぷりも含めて、流石だった。
♪4曲目には『プロレスごっこのフラフープ』。
ライブで聴いてから、ずっと口ずさんでる。
康司さんのベース好きだなぁと思いながら聴いてた。
あと、健司さんのラスサビの「愛してる」、ぎゅいんってキー上げるとこ良すぎた……。
元々好きな曲だったけど、さらに好きになった。
♪5曲目の『ディスコプール』で、踊っているフロアがとても気持ちよかった。
お決まりの煽り文句も聞けたし、武くんのドラムは格好良いし。
あと、康司さんがひょこひょこ揺れながら弾いていて、つられて一緒に揺れるの楽しかった。
ここ、「名古屋のプールサイドは」って歌ってくれたけど、どこかのタイミングでわざわざ「大須ー!!」って言ってくれる健司さん律儀だなぁと思うなどした。
♪初めて聴いたときからかなり気に入っている繋ぎからの、6曲目『パラレルロール』!
くるくる手首を回しながら踊る、という独自のノリで腕をぶんぶん振りながら、踊れた!
楽しかった!!好き!!!
ここらへん楽しく踊りすぎて、記憶がふわふわしてるけど、最高だった。
♪怒涛の盛り上げラッシュの7曲目は、『KITAKU BEATS』。
クラップのタイミングの良さと揃いっぷりも然ることながら、みんなめっちゃ楽しそうに踊ってたな。
個人的には、この曲はベースが好きで、康司さんの手元を結構観察してた。
肉眼で見れる距離感に感動したし、何より康司さん凄い!
あのベース弾きながらコーラスするの至難の業すぎるのに、めっちゃ楽しそうに弾いてて、しかも超正確で。
痺れたなぁ……。
たしかこの曲だったと思うんだけど、健司さんの後ろで集まって、隆児さんと康司さんが同じように揺れながら弾いてて、うぅ…となった。
♪そして8曲目、『シンクロック』。
この曲は、個人的には初めてライブで聴いて泣いた曲なので、思い入れがあって。
神戸ワールド記念ホールで聴いて、気づいたら涙が頬を伝っていたあの日の感覚が急に身体に戻ってきて、鳥肌立った。
康司さんの「待ち望んでいた」の前の部分のベースも大好きで、そこからの康司さんパートで高まって、健司さんのラスサビでぶわっと溢れた。
あまり明確に表現できないのがもどかしいけど、この曲になら、”エモい”という表現がしっくりくるかなと思う。
まさしく、エモかった。
♪9曲目の『もう帰る汽船』では、イントロでひぃ!と奇声を呑み込んだ。
だって、まさか、汽船がライブで聴ける日が来るとは思ってもみなくて……。
健司さんを支える康司さんのコーラスも大好物だけど、康司さんの渋みのある声も好きなので、この曲もかなり好きで。
康司さんがより歌が上手くなっていたのはもちろん、アレンジも絶妙だった!
「どんぶらこ」を歌う健司さんにもきゅんとした。
康司さんが歌ってるときは、一歩下がってギターに徹するお兄ちゃ…健司さんが兄感増し増しでやばかった。
この曲はギター全般好きなので、ライブで聴けたの嬉しい!
マニアックだけど、船の汽笛みたいな声をあげる康司さんがツボで、くすりとしてしまった。
♪10曲目の『峠の幽霊』も、驚きと嬉しさで歓声をあげそびれた。
息を呑んで魅入って、聴き入ってしまったなぁ……。
この曲はインディーズ時代からの屈指の名曲だけど、今のフレデリックが演ると魅力倍増どころか、ものすっごいことになってた。
とにかく音源でも映像でもいいから形に残してくれないかなと本気で願うくらいに、演出効果と歌声、コーラス、演奏、場の雰囲気含めて、とても良い。
特に歌い出し、健司さんひとりに照明が当たって、ほぼほぼアカペラで歌ったあの部分、健司さんのボーカルとしての表現力と技術を見せつけられた。
フレデリックの大きな強みである、踊れるリズムや中毒性のあるメロディーは、三原健司というボーカリストがいてこそ成立し得るんだと痛感。
健司さんほんとに凄い。上手いだけじゃない。流石。
会場の空気がすーんとしたところで、MCタイム。
MCに関しては、あとで詳しく。
フレデリックにしては長めのMCタイムだったけど、なんかほんわかしてて和んだ。
ここから、一気に今のフレデリックのモードに突入。フレデリズム2の楽曲陣も、ライブで場数を踏んで育ってきた感覚あり。
♪11曲目は『LIGHT』。
フレデリック「LIGHT」Music Video / frederic “LIGHT” -2nd Full Album「フレデリズム2」2019/2/20 Release-
軽くステップ踏みつつ、自由に身体が揺らせたので大満足。
「なぁ 君の暗闇をそっと照らして」の健司さん、高音が気持ちよく出てて、最高だった。
ハンドマイクの扱い方もどんどん進化していて、マイクコードを頻繁に担いでたのも良き。
♪そしてハンドマイクはそのままで、12曲目の『シンセンス』へ。
フレデリック「シンセンス」Live at 神戸 ワールド記念ホール2018/frederic「Shinsense」
隆児さんのギターが格好良すぎた。
『シンセンス』は曲が好きすぎて、とても幸せに飛び跳ねてた記憶しかないけど、健司さんがやたら色っぽかったことはなんとなく印象に残ってる。
好き。思う存分飛べて、楽しかった!
♪13曲目の『かなしいうれしい』は、お客さんのクラップが圧巻。
<TVアニメ「恋と嘘」OPテーマ>フレデリック「かなしいうれしい」Music Video -2nd Full Album「フレデリズム2」2019/2/20 Release-
何度も言うけど、あまりに揃ってて面白かった。
メンバーもみんな嬉しそうにフロアを見てたので、一体感が凄かったと思う。
何気にフレデリックの曲は、ベースが好きな曲が多いんだけど、例に漏れずこの曲のベースもたまらない。
康司さんは結構軽やかに動きながら弾くけど、あんなにごりごりのベース弾いてるのにあの軽やかさ凄い。
会場が一体になってて、曲終わりの達成感がお客さんにも広がってたのも良き。
♪『スキライズム』が14曲目。
フレデリック「スキライズム」Music Video / frederic “Sukiraism” -2nd Full Album「フレデリズム2」2019/2/20 Release-
前ライブで聞いた時より、かなり良くなってて驚いた。
春フェスのステージで確実に育ってきたという印象。
隆児さんのギターソロがとても楽しそうで、見ているこちらも幸せだった。
♪15曲目の『飄々とエモーション』も、しつこいかもしれないが、ベースがもう、最高。
フレデリック「飄々とエモーション」Music Video -2nd Full Album「フレデリズム2」2019/2/20 Release-
イントロで会場もかなり湧いてたし、私もかなり湧いたと同時に、この曲が来たということは終わりが近づいている…?と若干寂しくもあり。
ハンドマイクを持つと色っぽさが増し増しになる健司さんだけれど、加えて、フロアをしっかりと見渡して、誰も置いていかないように歌ってくれるのが素敵すぎた。
みんなで歌う部分も、どんどんお客さんの声が大きくなっていってて、エモーショナルな気分になった。
もちろん全力で歌いました。
♪本編のラスト、16曲目は『逃避行』。
フレデリック「逃避行」Music Video / frederic “Tohiko” -2nd Full Album「フレデリズム2」2019/2/20 Release-
これも『スキライズム』同様、育ってきたなぁと実感。
クラップのタイミングが合ってきたの最高にアガったし、健司さんが完全にこの曲をモノにしてて震えた。
『逃避行』ってとても好きな楽曲だけれど、歌うのは難しい曲だなと思っていて。
テンポだったり、歌詞の語感だったりが音源で完璧に仕上がっている分、ライブでその完成度を越えてくるのって大変だろうなと思っていたけど、全くそんなことなかった。
ライブの『逃避行』も格好良くて、最高だった。
本編の熱量をそのままに、アンコールへ。
手拍子のテンポがすぐ速くなっていっちゃうのが、お客さんの逸る気持ちを表していて笑ったけど、速くなりすぎて拍手みたいになると誰かが軌道修正して、っていうのを繰り返してたので、フレデリックのファンは流石!と思うなどした。
♪アンコール1曲目は、『夜にロックを聴いてしまったら』。
聴けば聴くほど好きになる曲だが、今回もまた好きを更新した。
この曲の隆児さんのギターでめっちゃ好きなフレーズがあるんだけど、それがライブで聴けて嬉しかった。
ライブで聴いたのは初めてだったが、転調もばっちり、息もぴったりで、耳が心地よかった。
♪最後の曲は『対価』。
歌い始める前に、健司さんの短いMCがあったのだが、そのMCが本当に真っ直ぐで、優しくて。
今年に入って、様々なことがあった。
音楽界隈でも訃報が続いたり。
個人的な話になるが、今年、私自身も家族を亡くした。
だからなのか、健司さんが『対価』の「間違ってたんだな」のフレーズをアカペラで歌い始めたとき、いろいろな気持ちが込み上げて、胸の奥が少しだけ痛かった。
でも、歌が進んでいくにつれて、勝手にだが、歌詞が自分を掬い上げてくれるような、そんな気がした。
「未来の果実を頬張るだけじゃ 育たない今は」
このワンフレーズを歌うとき、健司さんが前を見据えて、手を伸ばし、その手をグッと握りこんだ。
その姿に涙腺をやられて、一瞬泣いてしまったけれど。
でも、それは悲しくて零れた涙ではなくて、無意識にずっと堪えてきた痛みを受け入れられた、安堵の涙だったと自覚している。
フレデリズム2の中でも、一番好きな曲である『対価』をこんなにも大切に歌って届けてくれたフレデリックには、感謝の気持ちでいっぱいだ。
このツアーを締めくくり、次に進むためにぴったりの曲だった。
補足(MC等)
今回のMCは、私の知っているフレデリックの中では長めだったが、ちゃんとセトリの公開をやめてほしい理由を語っていたり、リリリピート編ならではのこだわりについて真面目に話してくれたりと、良いMCだったと思う。
名古屋ならではの話としては、
・康司さんの名古屋は身近に感じる話(康司さんの体感時間では兵庫から名古屋は電車で1時間くらいなんだそうな。うん、たぶん新幹線使ってももうちょいかかるかな。可愛い。)
・武くんの終電逃して名古屋のカラオケで夜を明かした話(3曲くらいは歌ったそうな。今回、めっちゃカラオケ行きたがってて何でやろなと健司さんに思われていたと。)
・隆児さんによる康司靴紛失事件の話(名古屋でのライブの帰り、康司さんが靴を落として、もう片方は結局捨てちゃったらしい。裸足で帰ったそうで、そのネタを盛り上げるために、わざわざ靴脱いで掲げる隆児さん可愛い。)
みたいな感じだった。
あ、あとは、健司さんが「康司は古着が好きだから、ここらへん(古着屋さんも多い大須界隈)の話すると思っとったのに」と言ってた。
それに対して、「そうか、ごめん!」ととっても素直に謝る康司さん。
健司さんはそこから話題を広げるつもりだったらしい。双子可愛い。
康司さんから、「名古屋のお客さんの拍手が気持ちいい!」との言葉を貰い、調子づいてさらにでっかい拍手をするフロア。
それをメンバーが楽しそうに見ていて、なんて穏やかで幸せな時間かしら…と思った。
フレデリックはメンバー同士の仲の良さがMCに滲み出てて、ほんわかしたMCでした。
ぐだぐだしすぎないところも含めて、すごく良い関係性だなぁと感じた。